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2025年東京・川崎住宅の太陽光マスト化とは?太陽光発電の予備知識を解説
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2025年東京・川崎住宅の太陽光マスト化とは?太陽光発電の予備知識を解説
東京都は、全国で初めて太陽光発電の義務化を公表しています。また、川崎市も東京都に続いて義務化の方針で動き出しています。しかし、一般消費者にとっては、太陽光発電については、まだ不確定な情報や知識不足から、義務化については賛否両論となっている現状です。
そこで、本記事では、太陽光発電の義務化を踏まえて、一般消費者にわかりやすく太陽光発電について解説をしていきましょう。
東京都の太陽光発電マスト化とは?
出典:photoAC
東京都は、12月15日の都議会の本会議において、新築住宅への太陽光パネル設置を義務化することを公表しました。太陽光発電の義務化となる目的については、以下の内容が盛り込まれています。
- 脱炭素社会への促進:二酸化炭素の排出が、実質ゼロとなる社会を目指すため。
- レジリエンス向上:太陽光発電の導入で、困難な状況やストレスから回復する力を作るため。
太陽光発電の義務化が適用される時期は、2025年4月よりスタートが予定されています。
太陽光発電の義務化の要件
太陽光発電の義務化の対象者は以下の通りです。なお、それぞれの対象者は、規定の要件に該当することが必要となります。
- 住宅供給事業者であること
- 注文住宅の施主であること
- 建売分譲住宅の購入者であること
住宅供給事業者
年間2万平方メートル以上の建物(住宅・ビル)を建築する大手住宅メーカーが対象となります。予定としては、約50社の大手住宅メーカ―が対象の見込みとなっています。新築以外の既存の住宅については対象外となっています。
なお、太陽光発電の義務化の対象となる大手住宅メーカーは、住宅の日当たりの問題など設置条件が適切ではない場合の対応については、東京都が設ける設置基準に従って判断することができます。
つまり、住宅の立地条件や日当たりなどが良くない場合は、要件が緩和されることもあるということになります。
※東京都が設ける太陽光発電の設置基準:
- 義務化については、日照などの立地条件や、住宅の形状等を踏まえて、判断することとなります。
- 屋根の面積が一定規模未満の住宅等については、太陽光パネルの設置対象から除外することが可能です。
注文住宅の施主
注文住宅の施主、または賃貸住宅のオーナーは、住宅の断熱・省エネ性能の向上、再エネ導入などについて必要な措置を行い、環境負荷低減に努めることが必要となります。また、事業者からの説明や東京都の配慮指針に基づいて対応することになります。
建売分譲住宅の購入者
建売分譲住宅の購入者、または賃貸住宅の賃借人は、住宅の断熱・省エネ性能の向上、再エネ導入の意義や効果などについて理解をして環境負荷低減に努めることが必要となります。
川崎市の太陽光発電マスト化
川崎市は、新築住宅への太陽光パネルの設置を義務化することを検討しています。川崎市は、令和元年度に行われた「温室効果ガス排出量」の調査では「2139万t-CO₂」と政令都市の中で最も多いことがわかり、環境負荷への問題が懸念されています。
太陽光発電については、一般消費者まで正しい情報が行き届いていないため、川崎市はインターネットで市民からの意見を募ったうえで、2022年度中に条例を改正する計画であると公表しています。
川崎市が11月18日に公表した計画案では、以下の内容が提案されています。
- 2,000平方メートル以上の建築物の新築や増築の場合は、建築主に設置を義務付ける。
- 2,000平方メートル未満の建築物を新築する場合は、1年間に5000 平方メートル以上の総床面積を供給しているハウスメーカーに設置を義務付ける。
- 義務化の対象外となる新築と増築の建築物については、設計士から太陽光パネルについて説明することを義務づける。
太陽光発電とは何か?知っておこう
東京都に続いて川崎市が促進する「太陽光発電の義務化」を踏まえて、私たちが予備常識として知っておきたい太陽光発電について確認していきましょう。
今回、義務化の対象となっているのは、住宅メーカ―となっていますが、新築住宅を購入する一般消費者にとっては、太陽光発電と住宅をセットで購入することもあり得るため、事前に太陽光発電について知っておくと良いでしょう。
太陽光発電を設置するメリット・デメリット
まず始めに、太陽光発電を設置する場合のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
太陽光発電を設置するメリット
- 電気代が安くなる
- 余剰電力で収入が増える
- 災害時でも電気を使える
- エコキュートと併用で節約できる
- 蓄電池と併用でさらにお得になる
- 環境負荷を減らすことができる
電気代が安くなる
太陽光発電を設置することで、今まで電力会社から購入していた電気の使用量が減るため電気代の節約に繋がります。世界情勢の影響で電気代は値上がりを続けていますが、太陽光を利用して電気を自宅で賄うことができれば、長期的な電気の節約術となるでしょう。
余剰電力で収入が増える
固定価格買取制度(FIT制度)を利用すれば、太陽光発電で作った電気を売電価格で電力会社に買い取ってもらうことができます。固定価格買取制度(FIT制度)では、自宅の太陽光発電で作った電気の余剰電力は、電力会社へと送られて買取料金が利用者へと支払われる仕組みになっています。FIT制度の利用は10年間と定められているため、10年間の売電収入で設置費用を回収できると想定することもできます。
災害時でも電気を使える
太陽光発電は、蓄電池と併用して利用すれば、蓄電池に貯めておいた電気を非常時や停電の際に有効活用することができます。停電時に一度に使用できる電力量には制限がありますが、夜間などに電気が使えると、災害時のストレスや不安も軽減されます。
エコキュートと併用で節約できる
エコキュートと太陽光発電を併用すると、ガス給湯器を使わなくてもオール電化に切り替えが可能です。エコキュートと併用するメリットは、ガス消費量を減らして安いプランの深夜電力に変更すれば光熱費の節約にも繋がります。
蓄電池と併用でさらにお得になる
太陽光発電と蓄電池の相性は良く、最適な方法で利用すれば、電気代の節約にもなります。また、太陽光発電だけでは天候が悪い日は発電効果がありませんが、電気を貯めて置ける蓄電池を併用すれば、天候に関係なく電気を使うことができます。
環境負荷を減らすことができる
太陽光発電は太陽光がある限り資源に困らないシステムです。また、燃料を使わないシステムでCO2を排出しないため、環境負荷の軽減にも貢献できます。太陽光発電は、電気の節約をしながら、環境にやさしい暮らしを持続することができるようになります。
太陽光発電を設置するデメリット
- 天候に左右される
- 初期費用が高い
- 売電収入だけでは難しい
- 設置条件で発電効果が下がる
- 設置工事のトラブルがある
天候に左右される
太陽光発電は、雨や曇りの日には発電効果が低下します。太陽光が当たらない日は、電気会社の電力を使うようになるので電気代の節約は難しくなります。天候に左右されないためには、電気を貯めておける蓄電池の利用がおすすめです。
初期費用が高い
太陽光発電システムを導入する際は、初期費用が高額になるため、事前に導入シュミレーションをしてから計画を立てることをおすすめします。
初期費用の相場は、一般的に84万円〜140万円くらいが目安となります。加えて蓄電池も一緒に購入する場合は、本体価格+工事費込みで約80〜200万円くらいになります。
太陽光発電システムの導入は、費用効果が得られるか見極めが重要となるでしょう。
売電収入だけでは難しい
FIT制度のスタート時は高い買取価格で始まりましたが、年々、買取価格が下落傾向にあります。太陽光発電の費用効果を売電収入で考えている方は、売電収入だけではなく、蓄電池を使って自家消費型で電力を賄う方法も必要となります。FIT制度の契約終了する10年後は売電収入から自家消費型へシフトすることを検討すると良いでしょう。
設置条件で発電効果が下がる
太陽光発電は、設置する場所や地域性、ご自宅の立地条件、設置する製品などによって発電効果は違ってきます。例えば同じ製品を違う条件の屋根に設置した場合は、得られる発電量も異なります。したがって、太陽光発電システムを導入する場合は、事前に発電量のシュミレーションが重要となります。
設置工事のトラブルがある
太陽光発電を設置する際は、導入シュミレーションができていても、適切な工事ができないと失敗に終わることもあります。
設置業者の中には、手抜き工事で高額な費用を請求するケースも発生しているため注意が必要です。太陽光パネルの施工が不良工事だった場合には、後から雨漏れのトラブルになるケースもあります。
太陽光発電の初期費用を抑える方法
太陽光発電システムの初期費用は高額なため、その対応策として、太陽光発電に適用される補助金制度や初期費用ゼロサービスなどを利用することをおすすめします。
補助金制度の活用
太陽光発電で利用できる補助金制度は、地方自治体より公募があります。
地方自治体のホームページより情報が公開されています。補助金の公募については、公募期間が決まっているため、申請をする場合は、早めに手続きをすると良いでしょう。
ゼロにできるサービスを活用
太陽光パネルは初期費用をかけず設置できるゼロサービスの利用がお得です。
「太陽光0円サービス」とは、初期費用を事業者が負担してもらって無料で設置できるサービスです。太陽光発電の高額な初期費用を0円で設置することが可能になります。
太陽光発電を導入する注意点
- 屋根の事前調査をする
- 適切な専門業者を選ぶ
- 見積もりは複数社から取る
- 発電量のシュミレーションする
- メーカー保証を確認する
屋根の事前調査をする
一般家庭で太陽光発電で設置する場合は、大半が屋根上の施工となります。したがって、屋根の種類や方角、傾斜、自宅周辺に高層ビルや障害物がないか、また屋根自体の状態は劣化していないかなどについて確認が必要です。太陽光発電を導入する前の事前準備として屋根の点検からスタートすると良いでしょう。屋根の状態が適切でない場合は、リフォームや修理などが必要となる場合もあります。
適切な専門業者を選ぶ
適切な施工業者選びについては、太陽光発電の販売メーカーが付与した「施工ID」を所持していることが確認するためのポイントになります。ただし「施工ID」がなくても、実績や経験の多い業者である場合は、依頼してもよい場合もあるでしょう。
また、販売メーカーが「施工保証」を提供しているか確認しましょう。
見積もりは複数社から取る
太陽光発電システムを購入する場合は、必ず複数社から見積もりを依頼しましょう。
同じグレードの製品でもメーカーによって価格も異なります。
発電量のシュミレーションする
太陽光発電の発電量をシュミレーションすることで、費用効果が得られるか確認してからスタートしましょう。発電量のシュミレーションは、専門的な知識が必要となるため、経験豊富な設置業者に依頼すると良いでしょう。
メーカー保証を確認する
太陽光発電のメーカー保証は10〜15年が一般的です。保証期間中であれば、修理や交換に無償で対応してもらえるため、購入前に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
東京都と川崎市が促進する「太陽光発電の義務化」により、太陽光発電が私たち一般消費者にとっても身近な問題となってきています。
太陽光発電というと何か難しいシステムのようですが、私たちの日常生活に深く関係してくる課題でもあるため、環境負荷を減らすためにも、太陽光発電について意識を傾けて今から情報を集めておくことをおすすめします。